練習で私立の中高一貫校を受験
練習で受けた私立校は父兄への待遇が手厚く、合否発表も早いことに驚いた。
付き添いの父兄用に体育館を待合室にしてくれたが、1月末の時期、普通は底冷えする体育館が、とても暖かく暖房を効かせてくれていたし、飲み物やパンなどまでサービスがついていた。
そして合否発表は、試験翌日にでた。
合格だった。
ただし、あくまで練習であり、第一志望の公立中高一貫校に合格しなかったら、この私立校には入れてあげられない。
だめだったら近所の公立中学に入るという約束が、せつない。
本番当日
そしていよいよ、第一志望の公立中高一貫校の試験日。
まずは万全の体調でこの日を迎えることが大前提。
前年まで毎年のようにインフルエンザにかかっていた娘が、今年は健康で、本番当日を迎えてくれてひと安心。
平日だったので、妻がパートを休みにして付き添ってくれた。
合否結果は試験の一週間後とやや時間がかかるのがドキドキだが、手応えは、前回の私立高と同様、普通だった、との事。
全然できなかったー、とか言われるよりはいいけれど。。。
発表までが長いーっ
試験日から合否発表まで一週間もあるので、時間があり過ぎて様々なことを考えさせられた。
もし合格したら、それは天にも昇る最高の気持ちになるだろう。
しかし、もし不合格だったら、それは失敗、敗戦だったのか?
がっかりしすぎて、娘にあたったりしないだろうか?
結果が出る前から考え過ぎだと思うけれど、時間があるから考えてしまう。
自分の結論としては、受験日の本番まで、受験生として諦めずに勉強を続けてきたこと、内申点のためとはいえ、学校生活に積極的に取り組んできたことこそが大成功であって、まずそこをほめてやらなければいけないと思った。
だから結果がどうであれ、受験して良かったと、取組まなかったより、前向きに取組んだ方がはるかに良かったと思おうと、結果が出る前からこれは成功だと、そういう考えに至った。
合否発表
合否発表は、学校まで行けば掲示板に貼り出されるが、今はネットで一発で見れる。
日曜日の朝9時発表のそれは、スマホ画面であっけなく知らされた。
不合格だった。
よく頑張った
こういう時、親はあーあ、とか言ってはいけないと思う。
ナイストライ!とお金の損得など少しも気にせず(やせ我慢)、子供のチャレンジを褒め称えましょう。
不合格でも失敗ではないと、ここまで頑張ってきたことは誇りだし、大いに褒めたいと思った。
問題は当の本人がどれだけショックを受けたかだった。
小学4年生の3学期から頑張ってきて、しかも初めての受験で、娘が注いできた努力、犠牲にしてきたことを考えたら、受け止めきれず、しばらく落ち込んでしまうかなあと気になっていた。
母親のスマホに出ている合格者の受験番号を、隅から隅まで何度も何度も見て、自分の受験番号を入念に探していたが、やっぱり無いんだと理解すると、怒ったり泣いたりするでもなく、意外にもあっけらかんと吹っ切れた顔をしていた。
娘の立ち直りの早さに救われる
今までの長い勉強の日々から開放されることがまず嬉しかったのだと思う。
そして、半日もたたない内から、今の小六の同級生の大半が4月から進む、近所の公立中学のことを、姉に聞いていた。
中学三年生の姉は公立中学をこの三月に卒業を控えて、まさに高校受験中。
お姉ちゃんと同じ中学に進学して、また三年後の高校受験で今回のリベンジをしたいと意気込んでいた。
目先の損得だけではなく、長い目で見て、何が成功なのかが大事
受験本番に入る前の年末に、自分と妻のご先祖様のお墓参りを4カ所、湯島天神や近所のお稲荷さんなど色々お参りして、あらゆる神頼みをしてきた。
果たして、娘はまだここで運を使う時期ではなかったのかもしれない。
或いは、その程度の努力では、後押ししてあげられないよ、とのご先祖様からの叱咤激励だったのかもしれない。
ただ、本人としたら、まわりの友達はほとんど受験しない中で、お友達が遊んでいる間に、忙しく塾に通って、夜遅くなって、本人なりに色々犠牲にしてかなり勉強したという実感があると思う。
しかし今回、それでも娘は合格できなかった。
そして数少ない合格者は、娘よりもさらに多くの時間を勉強したから合格したのだろう。
「中学受験は親の受験」という言葉があるらしいが、親の覚悟や、リーダーシップが足りなかったと言われれば、そうかもしれない。
高校受験、大学受験をする年齢ならば、もっと無理もできただろうが、小学6年生の子供にこれ以上に追い込むことには限界がある。
だから今回の経験が後に最大限に活かされて、この経験があったから頑張れた、というような将来の大活躍につなげられたら良いと思う。
お名前.com中学受験は無謀な賭けだったのか?
振り返れば、約7倍の倍率というだけでも、お姉ちゃんの高校受験と比べても結構な狭き門である。
しかもクラスの大半がのぞむ高校受験ではなく、クラスの上位5人に入るような、腕に覚えのある子供ばかりがのぞむ中学受験というのは思ったよりも難易度が高かったかもしれない。
また、かかった費用だけを見れば、ハイリスクな賭けだったのかもしれない。
それでも子供の可能性を信じたかったし、また公立中高一貫校には、話を聞いてみると、挑戦してみたくなる魅力がたくさんある。
公立中高一貫校の大いなる魅力
公立中高一貫校の説明会に行くと、同じコストで、近所の中学と比べてもかなり質も量も高いレベルの教育が受けられることがわかる。
しかも中高一貫校は、中学一年生と高校三年生が同じキャンパス内で影響し合えるという醍醐味がある。
部活など本当に勉強になると思う。中一にとって中三でさえあんなに大人に見えたのに、高三となったらそれは想像もつかない。
更に高校受験が無い分、授業の進行が早く、より大学受験に向けた準備に時間をかけられるという、たくさんのメリットがある。
今後に向けて
だから、そういう教育機会を娘に与えてやれなかったことは残念である。
しかし、今回の悔しい経験が、また三年後の高校受験に活かされるはず。
開き直るようだが、受験が全てではないし、どこの学校に入っても、本人のやる気次第で、どこまでも成長できる!
実際、不合格後のまだ2月の内に、娘はもうゆっくりすることに飽きたと言わんばかりに、本屋で中学一年の参考書を買ってきて、英語の勉強をスタートした。
受験の悔しさもあるだろうが、その気持ちを前向きなエネルギーに変え、即行動に移している姿に成長を感じるし、この大きな壁にチャレンジし、努力し続けたことは、娘にとってはメリットしか無い、位に思っている。
親は見守る位しか出来なかったが、親にとっても子供から良い刺激を受け、大いに学ばせてもらえた。