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上場企業の半期決算
企業の4-9月期の半期決算が出ています。
前回は好業績の企業や商品を紹介しましたが、
今回は、逆に業績が下がってしまった企業
について、取り上げてみたいと思います。
日本経済新聞 上場企業、最終38%減益
上場企業全体の4-9月期の純利益の合計額は、
前年同期比38%減の10兆808億円と大きく下がっています。
業種別にみると、自動車・部品、鉄鋼、石油や
鉄道・バス、空運の移動関連の業界が
軒並み減益で、このうち鉄鋼、鉄道・バス、
空運については業界で赤字転落という結果が出ています。
この半年間で、人の移動がだいぶ抑制されて
いましたし、インバウンドがほとんど
無かったことも影響しているのでしょう。
ニコン 営業赤字
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かつてはプロユースのカメラで、
憧れのブランド力をほこったニコンですが、
そのカメラ事業の赤字が足かせとなり、
営業赤字466億円と、過去最大規模の赤字と
なってしまったようです。
もともとデジカメ市場は、スマホカメラの
性能が上がるにつれ、シェアを奪われてきていましたが、
そこに新型コロナの影響が加わり、業績悪化となったようです。
人員削減にも着手するようで、今後
カメラを含めた映像事業に取って代わる柱の事業
を確立することが喫緊の課題となりそうです。
エイベックス赤字 希望退職募集
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かつては、小室哲哉プロデュースの
楽曲や、浜崎あゆみなどのヒットメーカーが
出す曲ごとにヒットを飛ばして大活躍していた
エイベックスも2020年9月中間連結決算の
最終利益が32億円の赤字となりました。
40歳以上の社員443人を対象に100人程度の
希望退職を募集するそうです。
また東京・南青山の本社ビル売却を検討している
という報道もありました。
主に人気アーティストのライブイベントが
ほとんど自粛せざるを得なかった
という部分が大きかったようで、同業の
アミューズも減益となったようです。
レナウン 民事再生廃止
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かつては売上高3千億円以上をあげ、日本最大の
アパレルブランドだったレナウンですが、
民事再生を申請していました。
会社を残す方向で模索していたようですが、
再生させることがかなわず、
民事再生廃止となります。
保有していたブランドを売却したり譲渡し、
店舗や売場は閉鎖し、会社は破産手続きに入り
清算されていくことになります。
百貨店自体も不振に苦しんでいる状況ですが、
百貨店の中で象徴的な存在感を表していた
アパレル大手のレナウンが、清算されていきます。
既にユニクロなどファストファッションが
世界的に席巻しており、高級ブランドも、
世界的なトップブランドでないと生き残れない中で、
アパレルでも汎用品と、高級ブランド品の二極化が
進み、その中間が難しくなっているようにも感じます。
そこへきて新型コロナの影響は大きかったのだと思います。
大塚家具 大塚久美子社長辞任
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すでに、ヤマダ電機の傘下となっている
大塚家具ですが、父娘喧嘩が話題にもなった
大塚久美子社長が辞任することになったようです。
2021年4月期の業績予想として、
当期純利益で28億9000万円の赤字が
見込まれているようです。
大塚家具は親子喧嘩の当時からすでに赤字に転落しており、
ニトリやイケアが手ごろな価格のおしゃれな家具を
売り出して、台頭する中で、大塚家具のような
一生使い続ける高級家具というコンセプトも
新しいライフスタイルの中で陳腐化し、
ビジネスモデルの限界も言われていました。
家電量販のヤマダ電機が大塚家具の高級ブランド家具を
接客しきれるのか、いいとこどりして
シナジーを発揮できるのかが今後問われてくると思います。
かつての一流企業が
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上記で取り上げた企業は、いずれもかつては
誰もが知る、その分野の一流企業ばかりです。
確かに新型コロナの影響はあったのだろうと思います。
しかし一方で、重要なポイントとして、
その業界の時代の流れの中での変化に
的確に対応できていれば、ここまで業績を悪化
させずに済んだ可能性もあると思います。
例えば、カメラ自体は今もスマホ内蔵のカメラで
写真や動画を撮影する行動自体はどんどん
増えてきています。
アパレルや家具は、ユニクロやニトリが
SPA(製造小売り)の業態で中間マージンを
排除し、業界の価格帯をガラッと変え、
消費者にとってお求めやすい商品を提供しました。
業界は残っていても、その中でのルールが変わり、
そこで活躍するメインプレイヤーは入れ替わって
いるということです。
ビジネスでよく言われるのが、
「過去の成功体験が足かせになる」ということです。
かつての古いルールの中でのチャンピオンは、
その成功体験から抜け出せずに、時間が経過して
ルールが変わったのに、新しいルールの中に
適応することができず、過去の成功体験にばかり
固執するので、次のゲームでは勝てないという意味で、
それほど変革とは難しいものなのでしょう。
一つの時代の変換点のように感じます。
まとめ
WITHコロナでの4-9月期の半期決算が
出てきました。
上場企業全体でも業績低迷という状況です。
今回注目したのが、
カメラのニコン、エンタメのエイベックス、
アパレルのレナウン、大塚家具の
業績悪化企業について、取り上げました。
コロナ禍とはいえ、かつての一流企業が
業績を大きく悪化させていくのは、
過去の成功体験が逆に足かせとなってしまい、
時代の変化に対応しきれなかった側面が
あるのではないかと思い、変革の難しさを痛感しました。