コロナ関連倒産が500件超え
新型コロナウイルスに関連する倒産と
考えられる倒産件数が500件を越えたという
ニュースがありました。
ヤフージャパンニュース 「新型コロナウイルス関連倒産」が500件に~第1号案件から195日~
https://news.yahoo.co.jp/articles/ced6d4e41539817f297465b791d191cd7350fbbe
2月25日の第一号案件から、9月8日までの
半年強で500件を越えたということでした。
ピークは6月の120件とのことで、落ち着いてきている
という見方もできますが、
今はまだ多くの企業が業績が悪化しても
ギリギリで耐えているのかもしれません。
「一因倒産」から「主因倒産」へ
ここまでは、新型コロナ禍になる以前から経営課題を
抱えていた企業が、新型コロナ禍によって、
トリガーを引かれて倒産に追い込まれるという、
「一因倒産」の段階であり、
この後は、コロナは一因ではなくなり、
新型コロナ以前には全く問題の無かった企業が、
新型コロナ禍を主因として倒産に追い込まれていく
「主因倒産」が増えてくるのではないかと指摘されています。
倒産企業の業種や負債金額の規模は
業種別の倒産件数をみると、上記グラフの通り、
飲食店が最も多く、次いでホテル・旅館、アパレル小売が
続いています。
国の補助も「Go To ○○キャンペーン」という形で
色々と進んでいますが、そういったものの効果が
最大限に活かされることを期待します。
負債金額規模でみると、最大の負債が278億円で、
(株)ホワイト・ベアーファミリーという旅行業、
次いで、WBFホテル&リゾーツ(株)が負債160億円、
アパレル大手の(株)レナウンが負債138億円となっています。
観光、飲食、アパレルといった業種は、
新型コロナで不要不急となり、その影響は
大きかったのではないかと思います。
新型コロナの影響を受けるような業種であれば、
ウィズコロナの時代に対応できるように
思い切った業態転換なども必要かもしれません。
雇用の引き締め
ちなみに、世の中の景気をあらわす、
有効求人倍率の推移を見てみますと
以下のグラフの折れ線グラフのように、
今年に入ってから右肩下がりになっています。
そして2020年7月に有効求人倍率1.08
という水準まで落ちています。
リーマンショック時には、1.0以下、すなわち
求人数よりも求職者数の方が多いという就職難の
時期がありましたが、そのように1以下に向かって
下がってきている傾向があります。
そして、完全失業率も新型コロナで
今年になって上昇を続けています。
2%台前半に落ち着いていた完全失業率も
今年に入って上昇し、もうすぐ3%に届こうと
しているのが分かります。
そして、そのしわ寄せが、非正規雇用者の解雇、雇い止めに
顕著にあらわれてきているようです。
東京新聞9月1日 コロナ解雇、8月末で5万人超に 非正規中心、増加止まらず
https://www.tokyo-np.co.jp/article/52468
上場企業でさえも危機感を募らせる
そしてそれだけでなく、もはや上場企業でさえ
危機感を募らせて、守りを固めにいっています。
マイナビニュース 2020年上場企業「早期・希望退職」状況、8月でに50社超に
https://news.mynavi.jp/article/20200817-1232393/
上場企業ともなると、早期退職募集も
数百人規模で行われている企業もあり、
この影響は決して小さくありません。
花形の航空関連業界さえ
空港も航空機も日本では今も昔も
憧れの花形産業だったはずです。
国際線がほとんど飛べないので、
優秀な人材でさえ持て余している状況です。
米国のアメリカン航空やユナイテッド航空は、
それぞれ1万人以上の人員削減を行います。
SankeiBiz 米企業でリストラ拡大 航空大手など1万人超 政府の追加策遅れも重荷
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200903/mcb2009030822013-n1.htm
旅客数がここまで深刻な減少をしていく中では、
どうしようもない状況ということです。
つい1年前まで、インバウンドで外国人が
大量に日本に押し寄せ、宿泊施設が足りないとか、
爆買いだとか言っていたことが信じられないほどです。
そしてインバウンドだけではなく、
日本人自体も、行動範囲を抑えて、
先行き不安から、消費も控えめにしている
人がほとんどではないでしょうか。
これから
ここまで耐えてきた企業も、だんだん耐え切れなくなり、
なりふり構わず守りを固めていく動きが
表面化してくるかもしれません。
新型コロナが今後どういう影響を及ぼすかが
最も大きな要因になるのかも知れませんが、
これから秋冬に向けて徐々に寒くなっていく中で
感染がどのような経過をしていくのか、
油断せずに注目していきたいです。
これ以上悪くならないとしても、
半年や1年で、インバウンドや景気が
簡単に元通りになるとは思えません。
あらゆる業界、あらゆる企業が、ニューノーマルを
模索して、新しい価値を提供できるように
変化を受入れていくことが重要になるのでしょう。
まとめ
新型コロナ関連で景気が悪化しています。
コロナ関連の倒産が500社を超え、
今後はコロナを一因とする倒産だけでなく、
コロナを主因とする主因倒産が出てくるかもしれません。
倒産企業はコロナで不要不急といわれた
飲食、宿泊、アパレルが多くを占め、
負債金額100億円を超える大型倒産もあります。
そして、雇用情勢もどんどん悪化しており、
失業率悪化や、上場企業の早期退職募集、
花形の航空業界でも米国では1万人規模の人員削減が
行われるようです。
これから徐々に気温が下がっていき、
冬を迎える中で、新型コロナがどういう経過を
辿っていくのか、油断せずに注目して、
どんな状況であれ変化を受入れて、
ニューノーマルでのビジネスを模索していきたいです。