新型コロナウイルスの感染拡大により、世界の多くの都市で
ロックダウン(都市封鎖)や活動自粛が行われる中、
各国が経済的なダメージを負っています。
STAY HOME(ステイホーム)が叫ばれる中、
不要不急で、どうしても自粛の手段として真っ先に手をつけられてしまう
レジャー、観光業界でも大きな変化が起きています。
シェアリングエコノミーの申し子、Airbnb社が大規模リストラ
Airbnb、25%に当たる1900人をリストラ 長期化する新型コロナを乗り切るため
IT media NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2005/06/news022.html
Airbnb社といえば、2008年創業で、日本法人は2014年創業という
最近の企業でありながら、自らは、ホテルなど宿泊施設の資産を持たず、
民泊などの部屋の貸し手と借り手をマッチング、
安心して取引できる場を提供するプラットフォームとして、
飛ぶ鳥を落とす勢いで成長してきました。
しかし今回、新型コロナウイルスの影響を受け、
大規模なリストラを発表しています。
資産を持たずに急成長する、シェアリングエコノミーの代表格の
同社でさえ、今年度の収益は2019年度の半分程度を見込んでおり、
その勢いを止めざるを得ない状況ということです。
なぜリストラすることになったのか?
Airbnb社は、2020年に上場するために準備を進めてきた
というほどに順調だったこともあり、新型コロナだけのために、
急ブレーキがかかるというか、相当大きなダメージを
受けたのだろうと思います。
同社の共同創業者でありCEOのブライアン・チェスキー氏は、
今回のリストラに踏み切った理由として、以下の二点をあげています。
1.旅行が、いつになったら元通り出来るようになるのか、正確に分からない。
2.仮に旅行が出来るようになっても、今までと違った形になっているだろう。
上記は素人のアバウトな日本語訳なので、
正確な情報は、原文をこちらからご確認ください。
もはや、コロナ禍を耐えきり、収束を待つだけでは、
今まで通りの成長は期待できないということですね。
日本の民泊もいいところまでいったのに
ついこの間まで、日本国内では、インバウンドも絶好調に伸びていましたし、
さらに東京五輪を前に、民泊新法などで、民泊の気運の高まっていました。
しかし、その民泊も、新型コロナの影響で宿泊予約のキャンセルが相次ぎ、
さらに東京五輪の延期が決まったことで、急ブレーキがかかっています。
民泊用の物件所有者も、物件を整理しだす動きが増えているようです。
そもそも民泊の良さは、ホテルや旅館のような
豪華な食事や宿泊設備にお金をかけずに、
空いている部屋を借りて寝泊まりさせてもらう感覚で、
安価で利用できることがメリットだったのだと思います。
そういった気軽に泊まれるカジュアルさが、
アフターコロナの時代において、衛生面などの
安心・安全と、どう折り合いをつけることができるのか、
今後は考え方をあらためておく必要があるかもしれません。
アフターコロナ時代の観光業のチャンス
新型コロナで蒸発する観光需要。星野リゾートはどう乗り切る?【NewsPicksコラボ】
#HORIEONE
https://www.youtube.com/watch?v=aSs2nGWTlt0
上記の堀江貴文氏と星野リゾートの星野佳路氏の対談では、
星野リゾートの戦略について聞くことができます。
その中で、インバウンドに当面期待できなくなっている中で、
日本人もまた、日本から海外旅行に出ることもできず、
観光産業は、国内の近隣の旅行から戻ってくるという話がありました。
人口の多い日本の4大都市圏からの観光誘致よりも先に、
まず地方のマイクロツーリズムが、最も早く、大きなインパクトが
期待できる、という話があります。
例えば、青森県の人が、同じ青森県内の観光地に宿泊する
といった、県をまたがない近場での観光消費です。
そういった観光業の復活の流れの中で、いかに3密のようなことに
安心感を与えることができるかが、重要になります。
例えば、もうビュッフェスタイルの食事の提供を嫌がる人も
出てくるだろうと思います。
逆に3密回避のために、食事を各部屋で、テイクアウトスタイルにしても、
アフターコロナ時代にはお客様の理解、協力も得られやすいだろう、とか
そういう部分にうまくアイデアを出して、受け入れられたところが
今後生き残れるという、ヒントあふれる話でした。
厳しいながらも、面白い時代になっていくと前向きに言及されています。
テレワーク向けの部屋貸し出しなどへ
また、アフターコロナ時代の新しい業態として、
テレワーク用のリゾートという話もでました。
在宅勤務など、テレワークに人々が慣れていき、
民泊や宿泊施設も、観光目的だけではなく、
落ち着いて働ける場所の提供という需要も出てくるでしょうし、
時代の流れを読んで、どんどんこういった差別化をしていくことが
とても重要になっていくのだと思います。
やはり、アフターコロナ時代には、変化することが重要になります。
お客様も、かつては全く気にしていなかったことにシビアになっていくでしょうし、
逆に、お客様が気付いていないところへ提案していき、
ああ、この方法なら、アフターコロナではものすごく安心感が得られる、
というような新しい常識が生まれるかもしれません。
そういった、未来のあるべき観光業というものを予測し、
先回りして取組んでいけるような、変わることを恐れない姿勢が
未来の観光業の成功スタイルにつながると思います。
まとめ
新時代の象徴でもあった、シェアリングエコノミーの申し子
Airbnb社が大規模リストラを発表しました。
新型コロナウイルスにより、旅行がいつ復活するのか分からず、
たとえ復活しても別の形になっている可能性がリストラ決断の原因との事。
日本はインバウンドも順調で民泊もいいところまでいったが、
アフターコロナの時代は、新しい形の観光を提案していかねばならない。
自ら変化することを恐れずに、未来に向けた新しい観光をいかに
考えて、チャレンジできるかが重要になる。