![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2020/12/usa-1960922_640.jpg)
注目の米大統領選について、もうバイデン氏勝利で
全て丸く収まったというムードではありますが、
選挙人による投票はまだ行われていません。
投票行動の出口調査の結果から見えてくる
米国民の分断とは?
そして選挙人制度にも限界がきているという
指摘もある中で、今後の選挙はどうなっていくのか?
取り上げてみました。
![](https://www10.a8.net/0.gif?a8mat=3BODHK+61B8KY+1OK+O3UA9)
米大統領選の属性別投票行動
トランプ氏の支持者とバイデン氏の支持者に
ついて、人種や、その属性を調べた
出口調査の結果が非常に興味深いものでした。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201104/k10012694231000.html
NHK 【全米出口調査】何を重視? 人種・年齢などによる支持傾向は
トランプ氏に投票した人が重視する項目として、
圧倒的に「経済」を重要視しています。
そして、バイデン氏に投票した人が重視する項目
としては、「人種間の不平等問題」や、
「新型コロナウイルス対策」を重要視しています。
また、男女別でみると、
男性はトランプ氏支持が49%、バイデン氏支持が48%と
わずか1%だけトランプ氏の支持が多く、
女性はバイデン氏支持が56%、トランプ氏支持は43%と
バイデン氏が13%多かったようです。
年齢層で見ると、
トランプ氏は比較的高齢者の層から支持が多く
バイデン氏は若い層からの支持が多かったようです。
そして、人種のるつぼといわれるアメリカの
人種別の投票行動を見てみると、
白人はトランプ氏の支持が多く、
ヒスパニック系や黒人はバイデン氏支持が多いようです。
特に黒人はバイデン氏支持が87%、トランプ氏12%と
圧倒的な差がついており、バイデン氏への
支持というより、トランプへの反発、
先の人種差別問題への対応について、
トランプ政権にかなりの反発がある
ように思われます。
また、新型コロナウイルスについて重視している人は
バイデン氏への支持が多く、
重視していない人はトランプ氏支持が多かったようです。
今回の投票は、新型コロナウイルスの影響で
投票所に行かず、郵便投票を含む期日前投票が多かった
ようで、その影響がこういった出口調査の結果の信頼性を
揺るがすという見方もあるようです。
また、郵便投票を選択する人については、
新型コロナウイルスを重視している可能性があり、
バイデン氏支持が多かったのかもしれません。
このように、今回の投票行動は大きな枠組みで見ると
人種や属性別の考え方や、新型コロナウイルスへの
考え方が投票行動に直結しているように見受けられ、
アメリカ全体が真っ二つに分断されているようにも思えます。
![](https://www18.a8.net/0.gif?a8mat=3BODHK+61B8KY+1OK+OC77L)
トランプ氏は郵便投票の不正を訴え
![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2020/12/donald-trump-1547274_640.jpg)
トランプ氏は敗北が濃厚となりながらも、敗北宣言をせずに
なかなか大統領の引継ぎ業務に移れない状況ですが、
トランプ氏は各地で不正選挙を主張する訴訟を
起こしています。そのほとんどが却下されているようで、
不正を裏付けられるような証拠の提出も不十分なようです。
このあと、選挙人の投票が12月14日に行われます。
12月8日までにそれぞれの州は、投票結果を
確定させなければなりません。
もし万が一投票結果を確定できなければ
連邦議会で決めることになり、その場合
トランプ氏の逆転の可能性も出てくるので、
トランプ氏としては、何とかして投票結果の
確定をさせないように抵抗して、舞台を
連邦議会へ移そうとしているということでしょうか。
![](https://www13.a8.net/0.gif?a8mat=3BODHK+61B8KY+1OK+O3MKH)
トランプ氏の反論
![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2020/12/donald-trump-5155123_640.png)
トランプ氏は得意のツイッターで、
バイデン氏に集まった票の全てが不法でなく
正当に獲得された票であることを証明しろ
などと反論を繰り返しています。
逆に、今回の投票に不正があったという
トランプ氏の主張も証明できていないから、
各州への訴えが却下されているのではなかったのでしょうか。
ここまで来てしまうと、もう
トランプ氏の逆転勝利の可能性はほとんど
残されていないように感じますが、
あるいは、4年後の2024年の大統領選
で、再び返り咲くことを想定して
トランプ氏の支持者へ最後までメッセージを
送り続けているのかもしれません。
![](https://www10.a8.net/0.gif?a8mat=3BODHK+61B8KY+1OK+NW4I9)
選挙人による投票制度の見直しへ
![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2020/12/flag-5592669_640.png)
そもそもこの選挙人制度は
アメリカ合衆国憲法が制定された
1787年に導入された大変古い制度だそうです。
200年以上前ですから、その時代に全米の
広大な国土で、全国民を対象にした直接選挙は
物理的に不可能であったために、当時は
それぞれの地域で選ばれ、間接的に託された選挙人が
大統領を選ぶというこの方法が最善だったわけです。
しかしインターネットも、スマートフォンも
普及した時代にはもはや限界にきているという
意見が多いようです。
選挙人制度廃止に向けた動きも活発になっており、
いずれにせよ、トランプ氏が主張するような、
不正が入る余地のない正当な投票が確保され、
誰が見ても不公平のない仕組みへと、
あらためていく必要があるのだと思います。
![](https://www10.a8.net/0.gif?a8mat=3BODHK+61B8KY+1OK+OA21T)
あと1ヶ月以上はトランプ大統領
![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2020/12/donald-trump-1547274_640-1.jpg)
選挙後、まだ任期の残っているトランプ政権は
いわゆるレームダック化(死に体)した状態になると
言われているものの、
忠誠を誓わないと判断した
エスパー国防長官を解任するなど
国政運営の不安定化が懸念されています。
米国の核ミサイルのボタンなど、
いまだに世界的な影響力を持ったまま
1月20日までの2か月弱の任期を過ごすわけで、
スムーズに次期政権に移行できるのか
どうか、やけを起こさないで正々堂々と
結果を受け止めてもらえるように願いながら、
まだしばらく注目していきたいと思います。
![](https://www12.a8.net/0.gif?a8mat=3BODHK+61B8KY+1OK+OG23L)
まとめ
米大統領選の出口調査から
トランプ氏支持者とバイデン氏支持者の
属性別の投票行動の特徴がはっきり見えてきました。
まだ敗北宣言もしていないトランプ氏は
郵便投票の不正を訴え、何とか投票結果の
確定を遅らせようと抵抗しているようですが、
その訴えのほとんどが却下されています。
この悪あがきは、もしかすると4年後の
大統領選に再び返り咲くためのメッセージ
なのでしょうか?
そもそも1787年に導入されたこの選挙人制度
による投票方法についても、限界がきており、
不正の入る余地のない、新しい時代のものへと
見直していこうという声が増えているようです。
そしてまだ、現時点での大統領は
トランプ氏であり、世界で一番強力な
権力者として、2か月弱の任期が残っています。
その間の動向についても注目していきたいと思います。
![](https://www13.a8.net/0.gif?a8mat=3BODHK+61B8KY+1OK+O2ZF5)