![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2021/02/sabetsu_josei.png)
森元首相の女性蔑視の発言は、日本だけでなく
世界中からたたかれてしまっていますが、
悪い意味で注目を浴びてしまっている、
日本人の男女格差についての考え方について
考えてみます。
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森氏の発言とは?
森喜朗氏が、JOC(日本オリンピック委員会)の
臨時評議員会で行った発言となります。
「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげて言うと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」
「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度規制をしないとなかなか終わらないので困る、と言っておられた。誰が言ったとは言わないが」。
これは、誰か特定の人物について言っているわけではなく
女性全体にあてはめているところが、浅はかというか、
女性蔑視と受け取られても仕方ない発言だと思います。
森氏の失言は今に始まったことではなく、
首相時代からも時々取り上げられていました。
大物政治家らしく、いわゆるリップサービスのように、
ちょっと極端なブラックユーモアを含んだ
毒のある話でウケを狙おうとするのは、この手の
人達にはよく見られる光景かもしれません。
そしておそらく、この女性蔑視の失言についても
いきなり初めて話したというよりは、身内で話した時に
ウケたり、同調するような人がいたから、大勢の前でも
ウケると考えたのではないでしょうか。
![](https://www16.a8.net/0.gif?a8mat=3BMCOR+4Y0MNM+373C+661TT)
せっかくの仕事が台無しに
![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2021/02/house-3241486_640.jpg)
東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会の会長
として、無報酬でこの仕事を引き受け、
人脈を使った根回しなどを駆使して取りまとめ、
難しい組織委員会の仕事を、新型コロナ禍の中でも
うまく進めていたと、その仕事を高く評価する
声も少なくありません。 間違いなく
大会実現に向けて、大きな貢献をしてきのでしょう。
しかし、大会組織委員会の会長として、
大会の顔としてのこの女性蔑視発言は、
いくら後から撤回し、謝罪しても、一度口から
出てしまった言葉は、その人の主義主張なのだと
受取られてしまうし、謝罪会見の逆ギレぶりも、
かなり悪印象を与えてしまったと思います。
自らの人生をかけてのぞんだ大きな仕事に対して、
自らが足を引っぱり、台無しにしてしまった感じが
して非常にもったいないことだと思います。
![](https://www19.a8.net/0.gif?a8mat=3BMCOR+4Y0MNM+373C+7JK8H)
森さんだけが特別?
![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2021/02/lectern-3278115_640.png)
このような考えは、森さん特有のものとして、
他人事で終わらせるのではなく、
やはりこれを機に、日本自体が男女格差において、
非常に遅れているということを認識しないと
いけないと思います。
内閣府では「男女共同参画局」という組織を立ち上げて、
男女があらゆる分野で活躍できる社会を
目指した取り組みをしています。
https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2019/202003/pdf/202003.pdf
内閣府 共同参画
上記サイトの資料における、
日本の専門職・管理職における女性の割合をみると、
民間企業の管理職(部長職)、新聞社、
NHK管理職、民放管理職、などでは
女性は1割にも満たず、また、
大学教員、医師、弁護士、政治家などでは
およそ2割に満たないという状況です。
その結果なのか、世界経済フォーラムが公表する
「ジェンダー・ギャップ指数2020」において、
我が日本は、153か国中121位(前回は149か国中110位)
という、想像以上に遅れた国であることが分かりました。
なぜ日本はここまで男女格差後進国なのでしょうか?
![](https://www12.a8.net/0.gif?a8mat=3BMCOR+4Y0MNM+373C+6BMG1)
日本人は変化が苦手
![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2021/02/communication_nigate_shifuku.png)
「和を以て貴しとなす」のことわざが
日本を象徴しているように、日本人は
自分の隣にいる人と同じようにやることは得意、
だからモノづくりなど共同作業、流れ作業が
上手にできるという側面があります。
しかし、集団の中で個性を目立たせたり、
自分だけ違う意見を言うことは苦手だと思います。
要するに変化に対して非常に慎重なところがある
のだと思います。しかし今は、変化の激しい
激動の時代です。
変化をリスクと思うか、チャンスと思うかで
結果は大きく違ってきます。
また、日本特有の「空気を読む」という言葉は、
森氏の発言における、会議の発言が長いのどうのという
のは、「空気を読めない」とか、そういう思いから
きているように想像します。
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日本のハイコンテクスト文化
![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2021/02/kaiwa_hairenai_businessman.png)
「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」
という言葉をご存知でしょうか?
「ハイコンテクスト文化」というのは、
コミュニケーションが価値観や、感覚などの
コンテクスト(文脈、背景)に大きく依存する
文化のことを言います。
コンテクストには、話されている言葉そのものには含まれない
ジェスチャーや声の大きさ、時には話者の地位や立場までも含まれます。
要するに、みなまで言わずとも、空気を読んでね、
という感じで、日本語や日本の文化はこの
ハイコンテクスト文化の代表的なものです。
それに対して「ローコンテクスト文化」というのは、
コミュニケーションがほぼ言語を通じて行われ、
明快で曖昧さがない文化を指します。
したがって、1から10まで説明する必要があり、
日本人なら言われなくても当たり前にやるような
ことでも、言われてないからやりません、という
トラブルになるので、説明する側はきっちりと伝えようと
努力します。 北米、西欧がローコンテクスト文化で、
英語という言語も、曖昧さをなるべく排除したもの
になっています。
島国としてほぼ単一民族で構成されている日本は、
協調性が重要視され、空気を読んでまわりに
同調することを教育されてきました。
![](https://www12.a8.net/0.gif?a8mat=3BMCOR+4Y0MNM+373C+6B70H)
失言の背景を考える
![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2021/02/false-2061131_640.png)
森氏の失言が生み出されてしまった根底には、
異質なものを排除しようという無意識的な
考えがあったのではないかと推察します。
これまでの男性主導の社会の中では、上下の階層も
はっきりしていて、会議のあり方としても、
予定調和なものが多く、閉鎖的なものだったのでは
ないでしょうか? だから、もうすでに根回しして
決まっている決定事項を皆で認識、共有するだけ
の場であって、そもそも新しい意見を取り入れようと
いう姿勢が無かったのではないでしょうか?
女性に限らず、新参のメンバーが、どうしてそうなったのですか?
とか、既に決まったことについて、話を蒸し返すような質問をしたり、
あっさりと進行させないような意見を言うことは、森氏をはじめとした
多くのお偉いさん方にとって、有り得ないという認識だった
のではないでしょうか?
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多様性を活かせない組織は時代遅れに
![](https://yu16san.com/wp-content/uploads/2021/02/smartphone-1445489_640.jpg)
しかし、現代のグローバル社会では、様々な文化や
背景をもった、様々なスキル、考え方を持つ人々の多様性を理解し、
あらゆる意見を出し合って、そこから最適解を
見出したり、物事を決めていかなければなりません。
むしろ情報化社会では誰もが知る情報はすぐに
共有されますので、同質化してしまった組織からは、
新しいアイデアやイノベーションが生まれてこず、
旧態依然とした成長の無い組織では、そのまま衰退して
厳しい世の中では生き残っていけないのだと思います。
日本人として、グローバルの中で他国と比較して
あらゆる分野で女性の参画が少ないことと、
国際的な競争力が低下してきていることは無関係では
無いように思えてきます。
エリートが集まる、政治家や医師、弁護士や
企業の役員などに、男女問わず実力に応じて誰でも
参画できるような国にしていくためにも、
日本人は、ハイコンテクスト文化を少しずつ変えて、
人の肩書や、立場を慮って忖度することなく、
「誰が言っているか」よりも、「何を言っているか」を
しっかりと理解して、空気を読まずに率直な意見を言って議論を重ね、
集合知、集団知による最適解を導き出す、そういう会議の
あり方を意識していかなければならないと思います。
みんなで議論して良い方向性を見出そうという
しっかりした目的意識があれば、男女も、老いも若きも関係なく、
対等に議論できると思いますし、そこに偏見や
閉鎖的、排他的な感情を持ち込むような人は、
組織を弱体化させる恐れがあるので、
やはりリーダーとしては失格となると思います。
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まとめ
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長である森氏の
女性蔑視の失言について、考えてみました。
その背景には、日本人の皆まで言わずとも
空気を読んでコミュニケーションをとる
「ハイコンテクスト文化」も関係しており、
典型的な、変化を嫌うお偉いさん方の会議のあり方が、
根回しによる予定調和で、そもそも新しい議論を生み出そう
という意識に欠けたものだろうと推察しました。
しかし、これからの時代は多様性を活かして
新しいアイデアやイノベーションを積極的に
起こしていけない組織は、激しい変化の時代には
生き残っていけず、淘汰されてしまいます。
空気を読んで忖度するのではなく、しっかりした
目的意識をもって、あらゆる側面から意見を出し合い、
自分だけでは成し得ないような最高の答えを
集合知から生み出せるような、多様性を活かした
組織運営ができる人こそ、真のリーダーたり得るのだと思います。
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