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気象と健康

熱中症を正しく恐れる

更新日:

今夏は日本全国猛暑の傾向

今年の夏は全国的に猛暑の傾向という予報が出たことは

5月26日の当ブログでご案内しました。

今年の夏は猛暑かどうか?

気象庁ホームページ 季節予報より

猛暑は昔から?

小中学生のお子さんは、夏の猛暑はもう当たり前の感覚として

「日本の夏は危険な暑さ」という認識かもしれません。

でも私のように40年以上も生きていると、

昔はここまで暑くはなかったよね?

という感覚です。

やはり地球温暖化で、地球ごと、年々気温が少しずつ上昇しています。

気象庁のホームページで、日本の平均気温を見てみますと、

気温がじわじわと確実に上がっています。

明治以降、日本の平均気温は100年で1.21℃の割合で上昇しています。

気象庁ホームページ 日本の平均気温偏差より

そして今後も気温は上昇する

年平均で1℃以上上がっているというのは、

微細に感じる方も多いかもしれませんが、

感覚的には相当大きな違いだと思います。

昔は、今よりも猛暑日(最高気温35℃以上の日)や

熱帯夜(最低気温25℃以上の日)がもっと少なくて、

冬日(最低気温が0℃未満の日)がもっと多かったということです。

私の子供の頃は、真夏でも、夜は冷房を消して窓を開けておけば

涼しい風が入ってきたものです。

今は、真夏は夜中も冷房をフル稼働しないと

暑くて眠れないという日がかなりあります。

これ以上平均気温が上がったら、おそろしいことになりそうですが、

残念ながら今後も、地球温暖化には歯止めが効かず、

温度が上昇していくと予想されており、

いかに上昇の程度を低くするかという議論になっています。

熱中症が増えている理由

熱中症が増えて、日本で注目が集まっている理由は、

このような地球温暖化による気温上昇にあります。

そして、もう一つ理由があるとされています。

それは、日本の高齢化です。

消防庁の「2019 年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」

によると、

救急搬送人員の年齢区分別では、高齢者が最も多く、

直近の2019年の夏には、熱中症患者の52%が65歳以上の高齢者でした。

人は年齢を重ねる程に暑さに対する感覚が鈍感になっていきます。

また、熱帯夜(最低気温が25℃以上の日)に、

寝ている時に熱中症にかかってしまうこともあるようです。

高齢者は、夜中にトイレに起きるのが嫌で、寝る前に水分補給を

しなかったり、エアコンなどを嫌がってしまう傾向があり、

就寝中の熱中症を助長してしまうようなので、注意が必要です。

熱中症が多い都道府県は? 

どこで発症する?

都道府県別には、どこで熱中症が多いかというと、

やはり大都市の東京都、大阪府、愛知県、福岡県などは多いですね。

私が注目したのは、沖縄県よりも北海道の方が熱中症が多いことです。

もはや日本には熱中症と無縁でいられる場所は

無いということでしょうか。

また、沖縄の人は暑さに強い体質だとか、

暑さに耐えられる生活習慣が、文化として浸透していたりするのでしょうか。

ここで問題です。

熱中症が発生する場所としてはどこが多いでしょうか?

こたえは、「住居内」です。

もちろん、炎天下での運動や労働作業なども危険ですが、

もっとも多いのが住居内とは、とても意外ですよね。

このことは多くの人達に知ってもらうべき事実で、

家の中で安静にしていても熱中症にかかることがある、

ということをよく認識しておくべきだと思います。

熱中症は気温が高いほど危険?

実は気温だけを気にしていても、完璧ではありません。

湿度の要素も含めて気をつける必要があります。

猛暑日は最高気温35℃以上の日となっているので、

35℃未満ならば安全かというと、そんなことはありません。

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WBGT暑さ指数とは?

WBGT値という暑さ指数があります。

気温と湿度から、屋内や日かげのWBGT値が計算できるのですが、

WBGT値 25℃~注意が必要となり、

WBGT値 25~28℃で警戒、

WBGT値 28~31℃で厳重警戒、

WBGT値 31℃以上~危険、となります。

厚生労働省 熱中症を防ごう! パンフレットより
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001dwae-att/2r9852000001dwhn.pdf

この表でみると、縦軸の気温が高いほど危険となり、

横軸の相対湿度が高くても危険となります。

例えば、気温が30℃未満の、29℃とか28℃ならば、

そんなに熱中症のリスクは無いように感じるかもしれません。

しかし、気温29℃や28℃でも、

湿度が90%を超えるような、湿気の高い時は

熱中症の危険度がとても高まるのです。

かんかん日照りの35℃の真夏日は

誰もが熱中症に気をつけると思いますが、

意外と、湿気の高い状況にも注意が必要だということも

頭に入れておくと良いですね。

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熱中症対策も、新型コロナの対策同様に、

寝不足や疲労の蓄積に気をつけることはもちろん、

こまめな休憩や、体に熱がこもらないように

熱を冷ますことが大事です。

また、熱中症では水分補給がとても大事ですね。

水分だけでなく塩分の補給もあわせて重要となりますので、

スポーツドリンクや、塩飴などを準備しておくと良いと思います。

まとめ

今年の夏は猛暑の予報ですが、

昔から夏はこんなに暑かったのでしょうか?

そうではなく、地球は確実に平均気温を上昇させていて、

今後も上昇すると予測されています。

熱中症が増えているのは、気温の上昇と、

日本の高齢化に原因があります。

お年寄りは特に注意が必要で、室内で安静にしている時

でさえ、熱中症の注意が必要です。

WBGT値という暑さ指数では、気温と、湿度の両方から

暑さを計算しています。普段は平気な気温30℃未満であっても、

湿気が高い日は注意が必要です。

新型コロナで、外出を控えて運動不足だったり、

あまり体が暑さに慣れていないときは特に要注意です。

上手に夏を乗り切りましょう。

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